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文学

【書評】小説はいかに読むべきか『批評理論入門』廣野由美子

文学を理論的に解明するための方法である批評理論の入門書ですが、本当に分かりやすくて素晴らしいです。なぜかというと、数々の抽象的な理論を羅列するのではなく、実際の文学作品をそれらの理論で読み解く実例の解説がメインに書かれているからで...
文学

【書評】批評理論の現在『クリティカル・ワード 文学理論』

文学作品を読み解くための理論である文学理論(あるいは批評理論)の入門書です。前半で基本的な文学理論のキーワードをいくつか挙げて解説し、後半はより最新の、現在重要となっているトピックを選んで掘り下げてるというスタイルです。私は文学理...
経済

【書評】経済学の前提を疑う『予想どおりに不合理』ダン・アリエリー

古典的な経済学の入門書を開いてみると、結構難しい数式とグラフが並び、なんとなく数学的に厳密な学問なんだろうな、という印象を受けます。でもその議論の土台にはかなり大雑把な前提があって、「合理的経済人」と呼ばれています。取引を行う人間...
技術

【書評】古代から現在まで『世界の建築家 解剖図鑑』

世界の代表的な建築家を取り上げ、作品のイラストと合わせて解説する図鑑です。建築家がクローズアップされない古代は様式の解説で、ルネサンス期からが建築家図鑑になっています。解剖図鑑シリーズの良いところそのままで、ピックアップする建築家は多すぎ...
哲学

【書評】正義とは何なのか、ちゃんと言いなさい!『国家』プラトン

古代ギリシアの哲学者プラトンの、言わずと知れた代表作中の代表作です。読んだことはなくても、イデア論とか哲人統治とか、何となく聞いたことがある人も多いでしょう。タイトルだけ読むと、理想の国家について書かれた政治学がテーマの本に見えますが、意...
技術

【書評】街を見るレンズの倍率が上がる『建築デザインの解剖図鑑』

地理や歴史や建築などについての入門書などを読んで新しい知識がつくと、街を歩いている時に目に入ってくるものの見え方がガラッと変わり、楽しむポイントが増えるという経験ができます。本書は、見るものにズームする時の倍率をぐっと上げて、建物...
科学

【書評】科学と人間性の往復『理不尽な進化』吉川浩満

本書は表紙だけ見ると、進化生物学の読み物のようで書店の科学コーナーにありそうな本です。第一章まで読んだ時点では、まだそのイメージで問題ありません。従来の進化論の本は環境に適応して生き残った生物種にスポットライトを当てていますが、こ...
経済

【書評】発展の最大の要素は人『ルワンダ中央銀行総裁日記』服部正也

1965年、日本銀行員だった著者が突然アフリカの発展途上国であるルワンダの中央銀行総裁に就任し、破綻寸前のルワンダ経済を立て直すというお話です。これがまた映画のように熱い展開で、語り口は淡々としているにもかかわらず、あまりの面白さに引き込...
社会

【書評】人類の遺伝子はスマホに適応していない『スマホ脳』

スマホがいかに脳に悪影響を与えるのかを示す最新の研究結果が数多く紹介されています。うつ、集中力の減少、睡眠障害、幸福感の現象、などなど。普段何げなくスマホを長時間眺めている身にとって、かなり衝撃的な内容でした。一方で本書のさらに面白いとこ...
哲学

【書評】私は死ぬべく、あなた方は生きるべく『ソクラテスの弁明』プラトン

古代ギリシアの哲学者プラトンの初期対話篇の中でも有名な作品です。プラトンの師ソクラテスが不敬神と若者を堕落させた罪で裁判にかけられた際の、ソクラテス自身の弁明演説の記憶をベースにして、おそらくプラトンの創作も加えて書かれた作品です。ソクラ...
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