科学

科学

【書評】『世界は「関係」でできている』カルロ・ロヴェッリ

量子は私たちの直感に反した奇妙な振る舞いをする。著者によれば、この量子現象を理解するためには、世界が実体ではなく、関係にもとづいて構成されていると考えなくてはならないという。さらにこの考え方を踏まえれば、現実や意識の本質は何か、と...
科学

【書評】『時間は存在しない』カルロ・ロヴェッリ

時間はいつでもどこでも同じように経過するわけではなく、過去から未来へと流れるわけでもない―。“ホーキングの再来”と評される天才物理学者が、本書の前半で「物理学的に時間は存在しない」という驚くべき考察を展開する。後半では、それにもか...
科学

【書評】メンデルからゲノム編集まで『遺伝子―親密なる人類史』

がん研究者である著者が、遺伝学の発展の歴史を過去から未来まで、科学者たち一人ひとりのエピソードも交えて書ききった大著です。メンデルとダーウィンが遺伝学の基礎を切り拓いたところから始まり、ナチスの優生学、DNAの二重螺旋構造...
科学

【書評】科学と人間性の往復『理不尽な進化』吉川浩満

本書は表紙だけ見ると、進化生物学の読み物のようで書店の科学コーナーにありそうな本です。第一章まで読んだ時点では、まだそのイメージで問題ありません。従来の進化論の本は環境に適応して生き残った生物種にスポットライトを当てていますが、こ...
科学

【書評】現代数学の言語『集合・位相入門』松坂和夫

はじめに断っておきますが、これは専門的に数学を学んだことがない素人が書いています。 本書は松坂和夫先生による数学入門シリーズの第一巻です。テーマは現代数学の基本言語というべき集合と位相です。非常に抽象性が高く理解が難しい分野ですが、...
科学

【書評】最も正しそうな健康法『不老長寿メソッド』鈴木祐

今も昔も、アンチエイジングや健康法についての膨大な情報が本やインターネットに溢れかえっています。その中から本当に信頼できる手法を選択して、さらに実践に移していくとなると、至難の業です。でもはっきり言って、この本はその難しい問い対する答えを...
科学

【書評】21世紀の病気と微生物の関係『あなたの体は9割が細菌』A・コリン

健康にとって腸内細菌が重要だという話は、日々よく耳にします。でもそういった微生物は、あくまで自分の体に影響を与えている「外部」のものだというイメージを持っていました。本書を読んでそのイメージが180度変わりました。微生物は人間の体に影響を...
科学

【書評】若返り薬がSFではなくなる『LIFESPAN ライフスパン』デビッド・A・シンクレア

老化を防ぐどころか、若返ることができる薬や治療法が、遠くない未来に実現する(!)。そんな内容の本だと聞いたら、それは良くてSFかファンタジー、もしくは怪しげな新興宗教か何かの本なんじゃないのか?と疑いたくなります。ところが、本書でそんな主...
科学

【書評】素人にもわかる宇宙の最先端『すごい宇宙講義』多田将

素粒子物理学の研究者である著者が一般向けに行った宇宙についての講義をまとめた本です。宇宙にまつわる研究の最先端は、素粒子レベルのミクロな世界から宇宙全体の成り立ちに至るまで、もはや一般人の認知できる範囲をはるかに超えた抽象的な内容になって...
科学

【書評】見えない恐怖 vs 科学『人類と感染症の歴史』加藤茂孝

今、新型コロナウイルスによって世界中が混乱しています。医学の発展によって、日常ではほとんど感染症の恐怖を実感することがなかった私たちにとっては、とてもショッキングな事態です。一方で、近代になって感染症をひきおこす細菌やウイルスが発見される...
タイトルとURLをコピーしました