科学 【書評】現代数学の言語『集合・位相入門』松坂和夫 はじめに断っておきますが、これは専門的に数学を学んだことがない素人が書いています。 本書は松坂和夫先生による数学入門シリーズの第一巻です。テーマは現代数学の基本言語というべき集合と位相です。非常に抽象性が高く理解が難しい分野ですが、... 2021.05.01 科学
社会 【書評】ケーキが切れた後の話『どうしても頑張れない人たち』宮口幸治 前作『ケーキを切れない非行少年たち』で、非行の原因として軽度な認知機能の障害があるという新たな視点を示した著者の続編です。今回は非行少年を支援する際に課題となる、どうしたら頑張ってもらえるのか、というモチベーションの問題を語っています。前... 2021.05.01 社会
社会 【書評】認知障害が犯罪を引きおこす『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治 児童精神科医である著者が非行少年たちの支援を経験してきた中で発見したこと。それは問題を抱えた少年たちが脳の認知機能に問題があり、それによる抑制のきかなさや社会生活への不適応が原因で犯罪や非行に走っているということです。従来の非行少年への支... 2021.04.28 社会
経済 【書評】徴税は支出の後に生じる『MMT現代貨幣理論入門』L・ランダル・レイ MMT(現代貨幣理論)は、貨幣、税金、財政赤字などについての一般的なイメージを180度変えてくれる画期的な理論です。でも、それは常識を覆すとんでもない理論なんかではありません。その説明はあまりに明快でシンプルで、一度聞いてしまえば「まあそ... 2021.04.27 経済
哲学 【書評】美しい話をしてエロスを賛美しよう『饗宴』プラトン 古代ギリシアの哲学者プラトンの有名な対話篇です。悲劇詩人のアガトンの家での宴会の中で行われた、愛の神エロスを讃える演説合戦の様子が描かれています。エロスは人間に美しいものを求める欲求を呼び起こさせる神です。何人かがエロス賛美を語った後に、... 2021.04.13 哲学
芸術 【書評】これほど迅速に人気を博した芸術形態があったか?『世界シネマ大事典』 古今東西の映画の歴史を網羅的に解説してくれる貴重な本です。網羅的と言っても、「事典」というほど多くの作品を掲載しているわけではありません。掲載する映画の本数よりも、その時代の映画の状況をテーマごとに解説することに重きを置いている印象です。... 2021.04.12 芸術
哲学 【書評】あの人が持っている技術には、どんな力があるのか『ゴルギアス』プラトン 古代ギリシアの哲学者プラトンの著書の入門にぴったりの読みやすい本です。初期の対話篇と呼ばれるものの1つで、ソクラテスが3人の人物と対話する形式で話が進みます。相手は3人。弁論術の達人ゴルギアス、その弟子ポロス、政治家のカリクレスです。道徳... 2021.04.01 哲学
技術 【書評】ビッグデータ時代のリテラシー『データサイエンス入門(データサイエンス大系)』 これからの時代はデータサイエンスが重要だとよく耳にします。でも正直、「データサイエンス」とは何なのか、あまり具体的なイメージがつかめていませんでした。本書はデータサイエンスというとても幅広い分野の知識大系を学べるシリーズの第一弾です。入門... 2021.03.06 技術
科学 【書評】最も正しそうな健康法『不老長寿メソッド』鈴木祐 今も昔も、アンチエイジングや健康法についての膨大な情報が本やインターネットに溢れかえっています。その中から本当に信頼できる手法を選択して、さらに実践に移していくとなると、至難の業です。でもはっきり言って、この本はその難しい問い対する答えを... 2021.02.23 科学
文学 【書評】心狂いて女の衣を身に纏い『ギリシア悲劇 Ⅳ』エウリピデス(下) ちくま文庫のギリシア悲劇シリーズの最終巻は、古代ギリシアの3大悲劇作家の一人、エウリピデスの後編です。収録されている代表作『バッコスの信女』が書かれたのは彼が何と80歳を超えてからだと言うから驚きです。死後に息子が上演して、一等賞を得たそ... 2021.02.23 文学