歌川広重が安政3年(1856年)から制作した傑作「名所江戸百景」。現代の東京を散歩しながら、同じアングルを探して写真におさめみました。
50景 角筈熊野十二社
新宿十二社熊野神社の西側にかつて風光明媚な池があり、観光地として賑わっていたそうです。明治以降は徐々に埋め立てられ、最終的には昭和43年に池は消滅しました。構図は現在の神社境内のやや上空から見たアングルです。神社の西にある道路へ降りる階段の上あたりが、この絵に近い構図になりそうです。
当時の光景は見る影もありませんね。でも階段を降りて池のあった付近に行くと、かすかに池の記憶が残っていることがわかります。まず地図を見ても分かりますが、昭和になって埋めたれられたまとまった土地に、周囲の住宅とは違う大きなビルが建っています。さらに地形を見ると池のあったところが窪地になっていて、横切る通りがV字上の谷になっているのです。
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