キューバ旅行記 その2 旧車と交通事情

旅と散歩

元気に走り回る旧車たち

キューバでは古き良きアメリカ車が走り回っているのは有名な話です。キューバ革命以降のアメリカの経済封鎖のせいで新車が輸入できなくなり、50年代のアメリカ車が修理しながら今も現役で使われています。もう毎日が旧車ミーティングみたいな状態です。というのも、どの車も塗装もシャキッとしていて非常に綺麗に保たれています。買い替えられないとう切実な理由からなんでしょうか。観光客向けに旧車のオープンカーがたくさんいますが、それに乗って海沿いを走るのは本当に気持ちがいいです。

修理に使う部品はどうしているのかというと、アメリカからは当然入手できないので、メキシコなどから輸入しているようです。でもエンジンなんかが逝ったらどうするの?と現地のガイドさんに聞くと、「あー、あれ中身はトヨタです」とのこと!そうだったのか、どうりでみんな調子がいいわけだ。

前回書いた街並みと同じで、そんな光景が生活に密着しているところがキューバの魅力です。みんなが旧車好きで、趣味であえて大事に乗っているわけではない。だから街に完全に溶け込んでいて風景の一部になっています。観光客向けのオープンカーだけじゃないわけです。その辺を普通に綺麗な旧車が走っているんです。

でもよく見ていると、一番多いのは意外とアメ車ではありません。自分の印象で多かったクルマ第一位は、「ラーダ」というソ連製の車です。非常にシンプルなデザインで、前後でシンメトリーな造形は逆に新鮮。後で調べたら、フィアット124という車をソ連でライセンス生産していたものらしいです。

第二位は「フィアット126」です。これ本当に小さくて可愛いです。ハバナの街並みにこいつがいると絵になります。なんでフィアットが多いのかとガイドやタクシーの運転手に聞きましたが、なぜかは分からないとのこと。猫が好きなのに理由なんてあるか?だそうです。

タクシーで郊外をドライブ

ハバナから出て郊外のハイウェイを走ると、交通量がとても少なく快適なドライブを楽しめます。渋滞なんて皆無。みんなクルマを持ってないんですね。道端を見ると、店も家もなさそうなところにずーっと立っている人たちをちらほら見かけます。何をしているのかというと、バスやタクシーが来るのをひたすら待ち続けているそうです。経済封鎖で車両が豊富にない中、国民の移動手段の不足が社会問題の一つです。

そんな中、ハバナ以外の街で最も標準的な移動手段はなんと「馬車」です。みんな馬車をバスのように利用しています。現代的な服装の人たちが普通に馬車に乗って移動する光景はなかなか奇妙ですが、それを古いアメ車が追い抜いて行くのがまたすごい。

タクシードライバーのドラテク

今回はシエンフエゴスやトリニダーにタクシーで移動しました。感想を言うと、正直ちょっと怖かったです。キューバは道幅はそんなに広くなく、対向車とのすれ違いでは大型トラックなんかとけっこう近いです。そこをしっかりと100km/h出して走ります。それだけだとヨーロッパの郊外に似ているのかもしれませんが、サスペンションがフワフワして安定しないクルマでやられると少しヒヤッとします。それと頻繁に馬車を追い越すのですが、対向車が迫っている中で結構攻めたタイミングで行きます。田舎に行くと補修されていない穴だらけの道を走りますが、加速、減速、回避のメリハリがさすがのテクニックです。道が良いと見るや100km/h出したかと思えば、急に減速して穴に備えます。これは集中力が要りそう。

ある時ハイウェイを走っていると急にドライブインに入るドライバーさん。給油か何かかな?と思ったら、「眠すぎてやばいから休憩する」とのこと。またちょっと怖さが増しました・・

ちなみに乗った黄色いタクシーは謎の中国車でしたが、エンジンは信頼性の高いトヨタに載せ替えていると言ってました。

参考文献

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