歌川広重が安政3年(1856年)から制作した傑作「名所江戸百景」。現代の東京を散歩しながら、同じアングルを探して写真におさめみました。
51景 麹町一丁目山王祭ねり込
半蔵門の外に伸びる麹町付近から、山王祭の山車の行列を見ています。行列は半蔵門から場内に入っていき、徳川将軍の前で山車を披露していたようです。行列はすごい長さで、朝に場内に入って列の終わりが出て行く頃には夜になっていたそうです。絵は手前に山車をアップで配置して遠近感を出しており、構図がとてもおしゃれです。これは完全に現在の「インスタ映え」に通じていますね。
こちらも半蔵を出てすぐなので位置はすぐ分かります。半蔵門の少し東側から門を見た構図です。行列がいないので多少さみしいですが、風景は当時のままですね。まあインスタ映えでは広重に完敗ですけど。なんと現在も山王祭の行列は健在で、さすがに皇居の中には入りませんが、このあたりも通過するようです。
この写真を撮っている時も皇居ランナーの人たちが大勢背後を通過していくので落ち着かなかったです。江戸時代の人たちも、まさか未来の江戸城の周りで大量の人が理由もなくグルグル走り続けている光景は想像できなかったでしょうね。
コメント