歌川広重が安政3年(1856年)から制作した傑作「名所江戸百景」。現代の東京を散歩しながら、同じアングルを探して写真におさめみました。
53景 増上寺塔赤羽根
増上寺には昔、絵に描かれたような立派な五重の塔が建っていました。しかし残念ながら戦時中に焼け落ちてしまい現存していません。下を流れるのは古川で、正面の橋は赤羽橋です。
今は五重の塔はなく、代わりにプリンスホテルの現代的なビルがそびえ立っています。五重の塔があった場所は昔は高台になっていたのですが、今は丘が低く削られてホテルのエントランスになっています。
この辺りにはいくつもの古墳群があったらしいのですが、ホテル建設のさらに前、戦後にゴルフ練習場の駐車場を作るために業者が遠慮なく造成して古墳を破壊したそうです・・。高度経済成長期の勢いはヤバいですね。下の写真が五重塔があったと思われる場所です。
五重塔は失われましたが、しかし今の我々には東京タワーがあります。昭和感があってなんとも言えない良さがあります。広重が生きていたら、間違いなく名所の一つに選んでいたでしょうね。
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