夏休みにギリシャ旅行に行ったのですが、事前にいろいろと歴史の本などを読んでしっかり予習して行きました。でもこういうにわか知識は、たいてい時間とともにあっという間に忘却の彼方に消え去るものです。そこで最低限のギリシャの歴史を記憶の片隅に残すため、アテネを中心に徹底的に短くまとめて記録に残しておこうと思いました。とは言ってもそれだけだと寂しいので、「超超まとめ」「超まとめ」「まとめ」の三段階で徐々に詳しい歴史を書いてみました。
古代ギリシア超超まとめ
ギリシア人がエーゲ海周辺に都市国家(ポリス)を作り発展。ペルシャの侵略に対してポリス同士が団結し勝利。アテネがその際に整えた海軍力を背景に海上交易を支配して黄金時代に。だがペルシャの脅威が去ったポリス同士が戦争を始め、アテネがスパルタに惨敗して衰退。覇権国家不在となったポリス群はその後マケドニアに征服される。アレクサンドロスの死後マケドニアは分裂し、ローマ帝国に征服される。
古代ギリシア超まとめ
ギリシャ人がバルカン半島に南下し、各地の狭い平野に独立した都市国家(ポリス)を作る。その1つアテネが海上交易で発展。市民が武器を自弁して戦う義務を持つ皆兵制を背景に、民主制が成立する。
ペルシャの侵略に対して共通の敵を持ったポリスたちが団結する。アテネの海軍とスパルタの陸軍を中心に奇跡的に勝利(ペルシャ戦争)。
アテネがその際に整えた海軍力を背景に海上交易を支配。ペリクレス統治のもとデロス同盟の盟主として参加料を管理し黄金時代に。
ペルシャの脅威が薄れてポリス同士が戦争を始める(ペロポネソス戦争)。リーダー不在で衆愚制に陥ったアテネは、スパルタに惨敗して衰退。海軍を失い田舎の小ポリスに。
その後スパルタやテーベなどの強国も覇権を築けないまま、最後はマケドニアのフィリッポス2世に征服される。アレクサンドロスが大帝国を築くが死後に分裂し、その後ローマ帝国に征服される。
古代ギリシアまとめ
【ポリスの成立】エーゲ海にクレタ文明やミケーネ文明などの青銅器文明がおこるが、海の民の侵略などで滅亡する。その後バルカン半島にギリシア人が南下して定着する。山間に狭い平野が点在する地形を背景に、独立した都市国家(ポリス)を各地に作る。
【アテネ民主制の成立】ポリスの1つであるアテネが海上交易で発展。市民が武器を自弁して戦う義務を持つ皆兵制を背景に、民主制が成立する。まずソロンが債務奴隷廃止と幣価切り下げで平民を救済。ペイシストラトスによる農地改革と海上交易の奨励によってアテネの経済が繁栄。そしてクレイステネスが一般市民の参政権を認める直接民主制を成立させる。
【ペルシャ戦争】アケメネス朝ペルシャがエーゲ海周辺を侵略。自主精神が強いポリス間では常に戦争が絶えなかったが、共通の敵を持つことで団結する。テミストクレスの戦略によって海軍力を増強したアテネと、協力な陸軍を持つスパルタ中心に戦い、奇跡的にペルシャに勝利する。
【アテネ黄金時代】アテネがペルシャ戦争時に整えた海軍力を背景にエーゲ海の制海権を握る。ペリクレス統治のもと、デロス同盟の盟主として参加料を管理し海軍を維持。エーゲ海の安全が保たれ交易が活発になり、ギリシアに繁栄をもたらす。
【ペロポネソス戦争】しかしペルシャの脅威が薄れると自主精神が強いポリス同士がアテネ対スパルタを中心に戦争を始める。アテネはペリクレスの死後リーダー不在で衆愚政に陥る。シチリア遠征の大敗を経て、最後はスパルタとの海戦で惨敗し海軍は壊滅。制海権を失って衰退し、田舎の小ポリスになる。
【マケドニアの支配】勝利したスパルタだが軍事的、経済的な覇権を築けず、テーベの台頭を許す。まとまらないギリシアはその後マケドニアのフィリッポス2世に征服される。その息子アレクサンドロスがアジアを含む大帝国を築くが、死後に後継者争いで分裂する。
【ローマ帝国】ギリシアはローマ帝国に征服される。ローマ帝国分裂後はビザンツ帝国の一部となり、ギリシア正教の世界として中世に入る。その後ギリシアが繁栄を取り戻すことはなかったが、古代ギリシア文化はローマ帝国やイスラム帝国に引き継がれていき、後世に大きな影響を与え続ける。
参考文献
『ギリシア人の物語』全3巻 塩野七生
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