世界の代表的な建築家を取り上げ、作品のイラストと合わせて解説する図鑑です。建築家がクローズアップされない古代は様式の解説で、ルネサンス期からが建築家図鑑になっています。解剖図鑑シリーズの良いところそのままで、ピックアップする建築家は多すぎず、少なすぎず適度な数です。解説も深入りせずポイントを絞ったものです。イラストは描き込みすぎず、シンプルです。総じて、気負わずさらっと楽しめる建築本になっています。読みながら、それぞれの建築家についてもっと詳細を調べてみたい、作品の写真を見たい、というモチベーションを持たせてくれるきっかけとしてすごく良いです。建築の歴史となると少々かたい本が多い中、読みやすい本書は建築の世界に触れてみようという入門者にとって嬉しい存在ではないでしょうか。
基本情報
作者:大井隆弘 他
発行日:2018/6/1
ページ数:174
ジャンル:NDC 523, 工学>建築学>西洋建築
読みやすさ
難易度:簡単です
事前知識:不要です
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目次とポイント
PART1 古代~中世編:古代ギリシア、ローマ、バシリカ、ロマネスク、ゴシック
PART2 ルネサンス期の建築家:ルネサンス、ビザンツ、マニエリスム
PART3 17世紀の建築家:バロック、ロココ
PART4 18~19世紀前半の建築家:新古典主義、ゴシックリバイバル、ネオバロック
PART5 19世紀後半~20世紀の建築家:ガウディ、ライト
PART6 20世紀後半~21世紀の建築家:モダニズム、ミース、コルビュジエ
PART7 21世紀の建築家:脱構築、ハイテク建築
感想
有名な画家たちの面白いエピソードを紹介する本は多々ありますが、同じ芸術の分野でも建築家については数が少ない気がします。やはり建築は芸術である一方で工学でもあることと、作品自体が建築物であるために現代にあまり多くは残っていないのが原因でしょうか。建築家の人生についてもう少し生々しいエピソードを語ってくれる本が増えると嬉しいなと思います。そうなれば、旅行先で名建築を楽しむ際に、さらに違った視点を加えることができそうです。
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