【書評】究極の本棚整理術『本棚にもルールがある』成毛眞

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読書術の本は数多くありますが、それらは本を「読む」ためのスキルが書かれているものがほとんどです。本書がユニークなのは、読んだ後の本の「管理」がテーマになっているところです。読書好きな著者が、どんどん溜まっていく本の山をどうすればよいのか?を考え抜いたすえにたどり着いた本棚の作りかたのルールを紹介しています。日々買ってくる本をただ本棚に押し込んでいくのではなく、しっかりとした本棚のメンテナンスのルールを決めて、「理想の本棚」を作り上げていく方法が書かれています。本が好きなあまり、本が捨てられない!という呪縛から抜け出すための答えがここにあります。

理想の本棚の作り方

本書の手法を簡単に説明します。まず、本の置き場所を主に次の3つに分けます。

  • 新鮮な本棚・・今読んでいる本とこれから読む本。ソファの横など、すぐ手に取れる場所
  • メインの本棚・・残して置く本。大きめの本棚
  • タワーの本棚・・実用書や専門書などの作業時に見る本。机周辺

まず買ってきた本は新鮮な本棚に置きます。読み終わったら、メインの本棚に入れる価値があるかを判断して、なければそのまま捨てるか売ります。メインの本棚は、大きさ、つまり収納する本のボリュームを決めてしまいます。そして本がそこに収まりきらなくなった時には、もうあまり興味がなかったり情報が古くなったりした、自分の中で順位が低くなった本を処分するまでの一時保管スペースに置きます。逆に気に入っていて「残したい!」と思う本を残していきます。そうすることで、本棚がどんどん自分の好きな本に入れかわっていくのです。

大事なのは、本棚に常に2割の空きスペースを残しておくことだそうです。たんに隙間を開けても良いし、自分の中でホットな本を面陳にしてディスプレイおいても良い。そうやって新しい本を入れる余裕を常に残しておくことで、本屋に行った時の本を買いたいという欲求を抑えること必要がなくなります。それが良い本との出会いを増やしてくれるのです。

自分の部屋に小さな本屋を作る

本書で紹介されている方法は本当におすすめです。私も数年これを実践していますが、だんだん自分の好きな本の割合が増えていく本棚を眺めるだけで楽しいです。何冊か面陳にしたり、小さいフィギュアなどの小物を並べると、まるでおしゃれな本屋のディスプレイみたいになります。そこでふと、これはまるで自分の部屋にある小さい本屋だな、と思いました。自分が店員になって選書して、陳列の仕方を考えているような気分です。本を読むだけではなく、その先に本棚をアップデートしていく新たな楽しみが加わります。

世界を変えるポイント

このブログのテーマは「読書によって世界を変える」です。本で知識を得ることで、日常の何気ないものを眺める視点ががらっと変わり、色々なものが「面白い!」と思えるようになる。そんな私達が見る世界を変えてくれる本を紹介していこうと思っています。本書は、その基礎となる「読書」そのものに対する見方を変えてくれる本です。私がちゃんと読書を始めたのは、実は30を過ぎてからなんです。それまでは年に2〜3冊読むかどうかでした。それが、この本棚の作り方を実践し始めてからは一気に読書量が増え、本が大好きになってしまいました。

  • 本棚は本の保管場所 → 本棚は自分の脳内マップ
  • 本は厳選して買う→ 欲しいと思ったらためらわずに買う
  • 本好きなので本は捨てられない → 捨てることで本棚をアップデートできる

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