ディズニーにあまり興味がないけど、彼女や子供の付き合いでディズニーランドに行くという人も多いと思います。そんな人でも知ってると意外と楽しめる、歴史やコンセプトについての知識を紹介していきたいと思います。今回は、完成度の高いオーディオアニマトロニクスとダークライドが楽しめるアトラクション、カリブの海賊です。
海賊黄金時代
ウォルトが亡くなる前に最後に手がけた遺作とも言えるアトラクションです。18世紀はじめの「海賊の黄金時代」と呼ばれる時期の海賊たちがモチーフだと思われます。アメリカ大陸をめぐる英仏の戦争中に私掠船免許を得た海の男たちが、戦争の終わりとともに大量の海賊となって活動した時代です。アメリカの子供達が憧れたカッコいい海賊のイメージの多くはこの時代をイメージして作られたものです。
もとはフランス領だったニューオリンズの街並みに入り口があります。船が動き出してしばらくは、ミシシッピ河口にあるバイユーという沼地を模したエリアを通ります。薄暗く、平和と恐怖の境界にいるような気分になります。ウォーターシュートを下るとその先は海賊の成れの果てである亡霊たちの世界です。さらに進むと、そこは彼らが生前に活躍していた海賊黄金時代のシーンへと繋がります。回想シーンのような構成になっています。
リアルで恐ろしい海賊たちの姿
アトラクションで描かれるシーンは実はかなり恐ろしいです。街を襲い、住民に宝のありかを吐かせるために拷問をする海賊。街の女性を拉致してオークションにかけているシーン。女性をぐるぐると追いかける海賊のシーンからは、あきらかに暴力への暗示があります。最後は街を炎で燃やし尽くしてしまいます。悪逆非道を尽くす海賊のダークな魅力が詰まっていて、とても子供向けとは言い難いスリルある内容になっています。
よくこんな表現が夢の国の中で許されるな〜と思ってしまいますが、やはりそんなカリブの海賊も時が進むにつれて少しずつ変わっていているようです。なぜか海賊を女性が追いかける側にまわったコミカルなシーンなど、世論への配慮で変更された部分が見られます。アメリカでは、ついに人身売買のシーンが削除されてしまうようです。リアルな海賊の危険な魅力を楽しむことよりも、道徳的に不快感を示すお客さんが多いとなれば、仕方のないことなのでしょう。
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