ディズニーにあまり興味がないけど、彼女や子供の付き合いでディズニーランドに行くという人も多いと思います。そんな人でも知ってると意外と楽しめる、歴史やコンセプトについての知識を紹介していきたいと思います。今回は東京ディズニーランドのメインストリートであるワールドバザールについてです。
メインストリートUSA
東京ディズニーランドで、カリフォルニアのオリジナルと最も雰囲気が違うのはこのワールドバザールという名のメインストリートでしょう。カリフォルニアでは「メインストリートUSA」という通りがある場所です。もともとはウォルトが少年時代を過ごしたアメリカ中西部のマーセリーンという鉄道の駅前にある町のメインストリートを再現したものです。ディズニーの父親イライアスの大工のオフィスがあったりもします。下の写真が現地で撮ったものですが、賑やかな駅前の通りという雰囲気でなかなか良いです。もっとも本当のマーセリーンのメインストリートはこんなに綺麗なところではなく、かなり美化されているそうですが、その理由はウォルトの少年時代にあります。
ウォルトが9歳まで住んだマーセリーンで、父イライアスは農場を経営していました。のどかな田園風景や動植物に囲まれた暮らしは本当に楽しく、ウォルトに強い印象を与えました。しかしその後、病気にかかり経営に行き詰まったイライアスは農場を手放して都市部への移住を決断します。それからというもの、ウォルトは幼いながらも父親からの言いつけで毎日辛い新聞配達の仕事で家計をささえることになります。そうして「少年時代」の大半を喪失したウォルトの中で、マーセリーンで過ごした日々の思い出がどんどん大きなものになっていくのです。
利便性を重視しての変更
そんな重要な意味を持つはずのメンイストリートですが、東京では雨が多い気候に合わせて屋根がついたアーケートに変更されてしまいました。オリジナルの雰囲気がなくなり、まるで日本の商店街のようになってしまった姿は残念でなりません。一方で、雨が降った時にこのアーケードに避難できることがすごくありがたいのも確かです。大抵の日本人はアメリカの駅前の通りに何の思い入れもないでしょうから、それはそれで合理的な判断なのでしょう。
縮尺のマジック
ディズニーランドをデザインしたのは、元は映画の美術を担当していたスタッフ達でした。ウォルトは全てのものの縮尺を小さくすることで子供心を刺激するセットを作ろうとしましたが、彼らは豊かな経験を活かしてそれを実現しました。
建物は実用性と縮尺による錯覚を上手くを両立するため、1階が9割、2階が8割、3階が6割の縮尺になっています。ちなみにメインストリートが奥に行くにつれて細くなっているという説もあるようですが、見た所そんなことはなさそうです。
シンデレラ城は、近づいて見ると思ったよりだいぶ小さいと感じるサイズです。しかし入り口を入ってワールドバザールから眺めるシンデレラ城はとても壮大で幻想的です。それを見た瞬間一気にテンションが上がりますよね。むしろ小さいからころ遠近感が強調され、遠くにそびえ立つお城という雰囲気を出しているのではないでしょうか。
コメント