【名所江戸百景の今】3景 山下町日比谷外さくら田

名所江戸百景の今

歌川広重が安政3年(1856年)から制作した傑作「名所江戸百景」。現代の東京を散歩しながら、同じアングルを探して写真におさめみました。

3景 山下町日比谷外さくら田

お正月の風景です。桜田濠の奥に見えるのは大名屋敷ですが、ここはもともとは日比谷入江という江戸湾の入江があった場所を埋め立てています。桜田門外のこのあたりは外桜田といって、大名屋敷がとても多い地域だったようです。

お濠は埋め立てられ道路も新たに付け替えられていて、当時の面影はほぼありません。日比谷公園の中、絵の石垣の裏あたりに、当時のお濠をしのばせる池と石垣がわずかに残されているのみです。古地図と見比べると、どうやら現在の泰明小学校あたりから北西に見た風景のようです。小学校には入れないので、隣接する首都高の高架下にある商店街の隣から撮影しました。JR線とビルで何にも見えません・・。江戸から東京への変化の大きさを感じさせる場所ですね。

ただ、この付近で面白い地形を見つけました。地図上でもともとお濠のあった位置に、不自然に一段低くなったエリアがあります。お濠を埋め立てた時に、埋め切らずに残った高低差なのかもしれません。やはり街の歴史の痕跡というのは完全には消え去らないものですね。

参考図書

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