悠久の歴史が流れる広大で多様なインド。本書は、長年インドに深く関わってきた方々が、これまではほとんど紹介されてこなかった「ディープ・インド」ともいうべき、多様で深遠なインド世界に読者を誘い、新たなインドを見つける一冊である。
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感想
この本を参考にインド旅行をしてみようというガイドブックというレベルではないです。インドにどっぷりハマった著者たちが、観光地だけではない素のインドの中で、生の文化を体験した物語が詰まっています。宗教や食などのテーマごとに分けれていますが、それぞれのライターの得意な話題についてのディープな話のオムニバス形式です。有名な場所というよりは、その人が個人的な経緯で訪れ感動した場所が紹介されています。
現地で庶民と触れ合い彼らの文化をそのまま体験してきたインド通たちの旅は、まだインドに行ったことすらない私などにはちょっと敷居が高いです。でも本書を読んでそんな旅を追体験すれば、日本では決して味わえない多様で雑多な生のインドを体験してみたい、という興味をかきたてられること間違いなしです。いつかは旅行会社の快適なツアーではなく、生身でインドを巡ってみたいものです。
あらためてインドは多様性の国だということを思わされます。北インドにある首都デリー、ミャンマー国境付近のランド、南インドのチェンナイなどの地理的な広がりがり。ヒンドゥー、イスラム、ジャイナ、シク、仏教などの宗教。北インドの小麦粉と南インド米などの食の広がり。そして良くも悪くもカースト制を反映した階級の広がりまで、あらゆるレイヤーでの多様性が存在します。一つの国の紀行本としてまとめることに少々無理を感じてしまうほど。
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