【書評】『情報を正しく選択するための 認知バイアス事典』情報文化研究所

心理学

人間が外部の情報を認識する際に、脳が情報の質や量を歪めてしまうことを「認知バイアス」と言います。本書は数ある認知バイアスを3つの研究分野(論理学、認知心理学、社会心理学)ごとに整理して、60種類を事典形式で紹介しています。認知的不協和やハロー効果など、なんとなく聞いたことはあるけどどんな意味だったかな・・という用語をさっと理解して整理するのに最適な本です。

感想

認知バイアスといえば名著『ファスト&スロー』などが有名です。そういった読み物形式で詳細が説明されている本に対して、本書は一つ一つの解説はシンプルですが、整然とバイアスの種類を整理するスタイルになってるところが新しいです。特に論理学ベースの認知バイアスは、普段あまりまとまった解説を見たことがなかったので新鮮でした。これをタイトル通り事典として使い、必要に応じて詳細を別の資料で調べる、という使い方が便利かな、と思います。

個人的には、本書をきっかけにして、『ファスト&スロー』『予想通りに不合理』『ファクトフルネス』などのベストセラーを次に読んでいくことをおすすめします。それらの本に書かれたストーリーをたどることで、自分が持ってる偏見やバイアスを認識して世界の見方が変わるという目から鱗の「感動」を味わうことができます。それに向けたきっかけ作り、もしくは認知バイアスの知識の整理としておすすめできる本です。

こうした認知バイアスについての理解が世界に広まることは、人々の争いや仕事のストレスを減らして、ひいてはより平和で幸福な社会を作ることにつながる気がします。こういう本をみんなが当たり前に読むようになってほしいなという思いをある、おすすめしたい本です。

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