【書評】『図解インド経済大全』

経済

本書は、インド研究者、またインドを専門とする実務家ら総勢34人の編者・執筆者が結集し、インド経済と関連する事項を解説する。第1部は経済に陰に陽に影響を与える政治や社会、文化なども幅広くカバー、充実した記述で理解を深められる。第2部は、世界的な産業となったITから、独特の文化を支えるアパレルや飲料・食品などまで11の産業分野(計73業界)について、最新の統計を駆使し、基礎と現状を解説。さらに第3部において、進出実務や税務、また現地の生活や仕事の様子もフォローする。

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感想

訳あってインドに滞在することになってので手に取ってみました。海外の一つの国について、ここまで網羅的に業界を解説している本があるというのがすごいな、と思いました。それだけ、インドという市場が今後の日本にとって重要である証拠なんでしょう。本書を読んでみると、インドへの日本企業の進出はまだまだ勢いが弱い印象です。自動車のマルチスズキ以外で言うと、大成功している日系企業はあまり見つけられません。だからこそ、今後伸び代のある市場としての注目度も高いのかもしれません。

一部の業界を除けばまだまだインドのローカル企業は強いとは言えないようで、経済成長も順風満帆とは言えない状況のようです。でもそれぞれの業界の市場の成長率を見ると、10年で数10%、下手をすると数倍になっているものがいくらでもあります。日本人からすると信じられないようなグラフがたくさん見られて純粋に楽しめました。

広い国土、大人口、他宗教、他言語、カースト、固有の食文化、などなど、ユニークさに事欠かないインドですが、今後経済的にどう発展して、文化がどう変化していくのか、そのダイナミックな動きを見るのが楽しみになってきました。

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